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 ツマグロキチョウ(褄黒黄蝶)の世界

 ツマグロキチョウ褄黒黄蝶)は、シロチョウ科に属する小型の蝶です。国内では本州(宮城県以南)、四国、九州に分布していますが、本種の幼虫の食草であるカワラケツメイ河原決明)の減少に伴い、都府県によっては絶滅危惧種に指定されているようです。近似種のキチョウ(黄蝶)に似ていますが、ツマグロキチョウの方が小型で、また前翅頂が角張っている点や後翅裏面に茶褐色の線条が入るなどの点で区別できるようです。
  ここ高知県中西部でも、ツマグロキチョウの食草であるカワラケツメイを茶葉に混合して、「キシマメ茶」または「マメ茶」の名称で飲用する習慣があります。その為、カワラケツメイは畑や休耕田の付近などに多く生えており、ツマグロキチョウの生息環境が保全されています。なお、ツマグロキチョウの幼虫の食草は、マメ科一年草のカワラケツメイ一種のみだそうです。
  逆説的ですが、このツマグロキチョウが生息するという事は、その場所のカワラケツメイは無農薬で栽培されている証にもなるそうです。
(参考資料:『ツマグロキチョウとカワラケツメイ』−日本鱗翅学会中国支部支部長 後藤和夫氏論文
  このページでは、筆者が自宅近くに生息するツマグロキチョウについて、約1年間にわたって撮った写真をまとめたものです。全ての写真は蝶を捕獲せずに撮影しており、また筆者は蝶の専門家でもありませんので、雌雄の判別などを誤っている可能性もあります。

ツマグロキチョウ(夏型)

 ツマグロキチョウ褄黒黄蝶)の夏型は、秋型に比べると小型で色も黄色です。特にオスは濃い鮮明な黄色で、メスは淡い黄色です。また夏型の翅は、秋型に比べるとやや丸みを帯びているそうです。雌雄の判別は、翅の色の黄色の濃淡以外に、前翅表面の翅頂から外縁に沿って現れる黒斑の形状でも可能のようですが、筆者は捕獲せずに蝶の写真を撮っており正確な雌雄の判別は困難です。夏型のオスでは、この黒斑が1b室に薄く現れるが、メスでは2室で止まるようです。(参考資料:神戸の自然シリーズ8「神戸の蝶 ツマグロキチョウ」
拡大写真  この日はツマグロキチョウの夏型と秋型が同じ場所で観察された。
(撮影:2011/06/02)
 
拡大写真  静止時には翅を閉じている事が多いが、2頭のツマグロキチョウ(夏型)が翅を開いていた。 (撮影:2011/06/02)
 
拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型)。 秋型に較べ夏型の翅は涼しそうに見える。
(撮影:2011/06/06)

拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型、右♀、左下♂)
求愛の最中か?右の♀は交尾拒否しているようにも見える。 (撮影:2011/06/08)
 
拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型、♀)
上3枚は同じ個体の写真。腹部を持ち上げているように見える。 (撮影:2011/06/08)
 
拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型、♀)
♂が近付くがなかなか交尾には至らなかった。理由は不明です。 (撮影:2011/06/08)
拡大写真  食草のカワラケツメイの葉に留まるツマグロキチョウ(夏型)。
(撮影:2011/06/12)
 
拡大写真 この生息地では、夏型のツマグロキチョウが数十頭も見られた。
(撮影:2011/07/17)
 
拡大写真  逆さにとまって見える世界を楽しんでいるかのようなツマグロキチョウ(夏型)。
(撮影:2011/07/17)
拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型、♂♀)
文献によると濃い黄色(左)が♂、薄い黄色(右)が♀のようである。 (撮影:2011/07/17)
 
拡大写真  花にとまる夏型のツマグロキチョウ(♀と予想される)
(撮影:2011/07/29)
 
拡大写真 ツマグロキチョウ(夏型、♀♂)
夏型ツマグロキチョウの求愛シーン。手前がメスか? (撮影:2011/08/07)
         

ツマグロキチョウ(秋型)

 秋型のツマグロキチョウ褄黒黄蝶)は、夏型に比べ少し大きく、色は写真のように茶色じみた色で、翅も厚みがあって暖かそうに見えます。秋型は9〜10月頃に発生し、産卵せずに越冬するようです。下写真にも12月下旬に撮影したものが含まれていますが、冬場日当たりの良い場所の枯れ草の中にいるのを観たことがあります。また、掲載写真の日付でも分かりますが、6月上旬には秋型と夏型が同時に観られました。秋型は夏型に比べ前翅頂が角張っている点や、後翅裏面にはっきりした茶褐色の線が横切っているなどが特徴だそうです。
拡大写真 秋型ツマグロキチョウの翅は重厚で暖かそう。越冬のためか?
(撮影:2010/11/15)
 
拡大写真 秋型ツマグロキチョウは後翅(裏)に褐色の筋がはっきりと見える。
(撮影:2010/11/20)
 
拡大写真  紅葉したユスラウメの葉の上で日向ぼっこ中のツマグロキチョウ(秋型)。
(撮影:2010/11/23)
拡大写真  ランタナの花にとまる秋型ツマグロキチョウ。
(撮影:2010/11/26)
 
拡大写真  日だまりの枯れ葉の上で休む秋型ツマグロキチョウ。
(撮影:2010/12/04)
 
拡大写真  サッシの磨りガラスにとまる秋型ツマグロキチョウ。
(撮影:2010/12/06)
拡大写真  12月下旬に芝生で見た秋型ツマグロキチョウ。
(撮影:2010/12/20)
 
拡大写真  越冬した秋型ツマグロキチョウか?翅がボロボロに。
(撮影:2011/04/24)
 
拡大写真  交尾中の秋型ツマグロキチョウ。翅が破れている。
(撮影:2011/04/30)
拡大写真  翅が少し欠けている秋型ツマグロキチョウ。
(撮影:2011/05/01)
 
拡大写真  キランソウの花にとまる秋型ツマグロキチョウ。翅は綺麗に見える。
(撮影:2011/05/05)
 
拡大写真  この日は、秋型と夏型のツマグロキチョウが同時に見られた。
(撮影:2011/06/02)
         

 

ツマグロキチョウと食草のカワラケツメイ

 ツマグロキチョウ褄黒黄蝶)の幼虫の食草は、マメ科一年草のカワラケツメイ河原決明)一種類のみだそうです。ツマグロキチョウが存在することは、無農薬のカワラケツメイが存在する証になるとの事です。この写真に登場するツマグロキチョウも全て、田畑に自然に生えたカワラケツメイの群生場所で撮影したものです。筆者の地方では、下写真のようにカワラケツメイの葉・実・枝を天日干しした後、茶葉と混合して炒って「キシマメ茶」などと称して飲用します。
拡大写真 カワラケツメイ
ツマグロキチョウの幼虫の食草であるカワラケツメイが沢山生えている。 (撮影:2011/08/16)
 
拡大写真 カワラケツメイの葉
カワラケツメイの葉の接写。
(撮影:2011/07/17)
 
拡大写真 カワラケツメイの花
黄色い可憐な花を咲かせるカワラケツメイ。
(撮影:2011/08/09)
拡大写真 カワラケツメイの花と蜜蜂
吸蜜にやってきたミツバチとカワラケツメイの花・葉。 (撮影:2011/09/07)
 
拡大写真 カワラケツメイの実
サヤエンドウに似た形の実がついたカワラケツメイ。花も見えている。 (撮影:2011/08/28)
 
拡大写真 カワラケツメイの天日干し
キシマメ茶”として飲用するために、カワラケツメイを天日干し。 (撮影:2011/08/31)
拡大写真  ツマグロキチョウの幼虫と思われる虫を食べる蜂。
(撮影:2011/07/24)
 
拡大写真  食草であるカワラケツメイの葉を食べていた所を蜂に襲われる。
(撮影:2011/07/24)
 
拡大写真 カワラケツメイの天日干し
カワラケツメイの葉・茎・果実を天日干し後、茶葉に混ぜて炒る。 (撮影:2011/08/31)
 
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