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海や川での釣り・漁における危険な魚

危険な魚一覧

海や川での釣り・漁における危険な魚



海や川には、毒のあるトゲ(棘)や鋭い歯などをもつ大変危険な魚が生息しています。これらに触れてしまうと(手袋をしていても)大怪我をしたりによって体調不良に陥ったり、最悪死に至る場合もあります。釣りを楽しむ場合(特に夜釣りなど、手元が見えづらくなる時間帯)は、危険魚に注意しましょう。

また釣り上げてから困らないように、出かける前にしっかりと準備をしておく事をおすすめします。危険魚の中には、ある部位を取り除けば食べる事が出来る魚もいます。 ただしフグ類の場合は素人が処理すると食中毒を起こす可能性が非常に高いため、免許を持った人(ふぐ調理師)に処理してもらいましょう。

このページでは、海・川の危険魚と、もしもケガをされた場合の簡易的な対処方法をご紹介します。※なお、毒をもつ魚やそれらの対処方法など詳細については、各専門機関・医療機関などにお尋ね願います。


●海の危険魚

アイゴ(藍子)/スズキ目アイゴ科
アイゴ(藍子)

旬は夏・冬。背・腹・尻ビレに毒のトゲがあり、刺されると数時間から数週間痛む。対処法は患部の血を絞りだし、洗浄する。その後清潔な冷水か、40−60℃のお湯に患部を浸ける。持ち帰る時はアイゴバサミ等で押さえつけヒレを切り取るが、このヒレを放置して帰らないこと。アイゴの身は磯臭さが気になるものの歯ごたえがあり、刺身や干物にして食べる事ができる。別名イタイタ、イタダイ、エノウオ、バリ、ネションベン。高知ではアイ、アイハゲ、アエなどとも呼ばれる。


アカエイ/トビエイ目アカエイ科
アカエイ

肉食魚。旬は夏・冬。浅い海の砂底、河口などに生息する。尾の中ほどに毒のトゲがあり、刺されると激痛が走る。アレルギーを持った人の場合アナフィラキシーショックで死亡する可能性もある。対処法は患部から毒を搾り出し、洗浄して医療機関で診察してもらう。尾の毒は死んでも消えないので注意。刺身や湯引きなどにして食べる事ができる。ただし、時間が経つとアンモニア臭が発生し臭くなるので注意。別名エブタ、アカマンタ、アカヨ、ホンエイ


ウツボ(魚へんに單)/ウナギ目ウツボ科
ウツボ(魚へんに單)

肉食魚。旬は秋・冬。全長1m前後で岩礁の穴に住む。夜行性で、特にタコを好んで食べる。尖った口には鋭い歯が生えており、指などを深く噛まれると大変危険。噛まれた場合は患部を圧迫し止血、消毒すること(粘液で化膿する場合がある)。出血が止まらない時は患部の上部を布や紐で縛って医療機関に行く。別名キダコ、ウージ、なまだ。高知ではマウツボ、ホンウツボとも呼ばれ、神祭料理として振舞われることもある。ウツボのタタキが有名。


カサゴ(笠子、瘡魚)/カサゴ目フサカサゴ科
カサゴ(笠子、瘡魚)

肉食魚。旬は秋・冬。主に温・熱帯の海の岩礁底に生息する。体はトゲが多く、黒色や赤色の保護色になっている。カサゴ目の中には、オニオコゼなど一部の魚種のヒレ(トゲ)に毒を持ち、刺されると激痛が走り赤く腫れる。症状はめまいや吐き気など。対処法は患部の血を絞り洗浄。身は脂が乗り高級魚なみに美味。和食・洋食で人気のある魚である。別名ホゴ、ボッコウ、アカチン、アラカブ、アカメバル、ガガネ。高知ではガシラと呼ばれる。


ゴンズイ(権瑞)/ナマズ目ゴンズイ科
ゴンズイ(権瑞)

旬は冬。全長は10〜20cmほどで、茶褐色の体に2本の黄色い線が特徴。何尾も固まって泳いでいる姿はゴンズイ玉と呼ばれる。胸ビレと背ビレに毒のトゲを持っており、刺されると赤く腫れる。対処法は患部の血を絞りトゲを取り除く。その後清潔な冷水に患部を2時間ほど浸す。夜釣りでよく釣れる。死んでも毒は消えないが、処理をすれば食べる事が出来る。別名ゴズ、ゴズイオ、ウミギギ。高知ではギギ、ググなどと呼ばれる。


スズキ(鱸・石投)/スズキ目スズキ科
スズキ(鱸・石投)

シーズンは春〜夏。エラぶたが非常に鋭く、指が当たっただけでも切れる恐れがある。このエラがハリスを切ってしまう事もある(スズキのエラ洗い)。 しかしスズキを新鮮なまま持って帰るにはエラを切り血抜きをする必要があるので慎重に取り除くこと。 また背・腹・尻ビレにトゲがある。スズキの身は血合いが少なく、高級魚と呼ばれるほど美味。刺身、ムニエル、あらいなどで食べる事が出来る。別名ユウド、マタカ、シーバス


タチウオ(太刀魚、立魚)/スズキ目タチウオ科
タチウオ(太刀魚・立魚)

肉食魚。旬は夏・秋。銀色の体は細くて平べったい。口は下アゴが大きくノコギリの様な鋭い歯を持つ。この歯には「返し」が付いており、噛まれると大変危険。釣り上げてしばらくは暴れるので注意しなければいけない。身はくせがなく塩焼きや刺身、寿司などで食べる。高知ではタチオ、タチと呼ばれる。


ダツ(駄津)/ダツ目ダツ科
ダツ(駄津)

長くて硬いアゴが特徴。高速で走り回り、光に反応して突進してくる習性を持っている。突進してきたダツが人体に刺さるケースも多く、特に夜間は海面をライトで照らさないよう注意すること(死亡例あり)。 刺さったダツを無理に引き抜くと出血多量になる場合があるので、抜かずに頭部を切り離して医療機関へ向かう。身は白身で刺身・から揚げ・塩焼きなどで食べる事ができる。


ハオコゼ(葉虎魚)/カサゴ目ハオコゼ科
ハオコゼ(葉虎魚)

小さく真っ赤な体が可愛いと言われるが、背ビレには毒のトゲを持っている。この毒は弱いが水深の浅い場所に生息する為、ハオコゼに気付かず触れてしまい手や足を刺されることが多い。刺された場合すぐに症状は出ず、時間が経ってから痛み出す。対処法は患部の血を絞り消毒。その後清潔な冷水に患部を2時間ほど浸す。から揚げなどにして食べる事もできるし、その派手な容姿から観賞用にも向いている。別名カナコギ、スナバリ、ハオコシ、ヒメ


フグ(河豚、鰒)/フグ目フグ科
フグ(河豚・鰒)

発達したクチバシ状の歯を持つ。釣り糸を噛み切ってしまうこともある為、指などを噛まれると危険。釣ったフグはすぐにペンチなどで歯を折る(歯切り)など処理しておくのが良い。また内蔵の毒(テトロドトキシン)による食中毒も多発しており、死亡例もある。多くはフグの調理免許を持たない一般人によるもの。現在フグ毒の解毒剤は開発されていない。症状は段階ごとに口唇や指先の痺れ→運動機能障害・血圧低下→全身麻痺・呼吸困難→意識の消失・呼吸停止。


●川の危険魚

アカザ(赤刺)/ナマズ目アカザ科
アカザ(赤刺)

体長10センチほどのナマズの仲間。夜行性の為、昼間は石の下などに隠れていることが多い。綺麗な川にしか住めず、環境省レッドリスト絶滅危惧種U類に指定されている。背ビレと胸ビレに毒のトゲがある。別名アカネコ、アカナマズ


ギギ(義義)/ナマズ目ギギ科
ギギ(義義)

夜行性で気が荒く、攻撃性が強い。ヒレを使って「ギーギー」という音を出す為この名前で呼ばれる。背ビレ・胸ビレに毒のトゲがある。煮物やフライなどで食べる事ができる。別名ギギウ、クロイカ、クロザス


クサフグ(草河豚)/フグ目フグ科
クサフグ(草河豚)

体長10cm〜25cmの小さなフグ。海水魚だが、川に紛れ込んでいる事がある。背ビレと胸ビレにトゲがあり、内臓と皮には毒がある。肉にも微量の毒が含まれるが、処理をすれば食べる事が出来る。砂に潜る習性がある。別名スナフグ、チイチイフグ、アカメフグ


ツムギハゼ(紬鯊)/スズキ目ハゼ科
ツムギハゼ(紬鯊)

体は太く短い。目が大きく、尾柄部まで真っ直ぐ大きな斑点が3つあるのが特徴。浅瀬の砂泥底に生息している。皮膚・筋肉に毒(テトロドトキシン)を持っている為、食用にはならない。


※ここで紹介した症状・対処法はあくまでも一例です。症状・対処法は個人によって異なる場合があります。